【特集】アナログ回路でLチカ(16種類)

今回は、アナログ回路でLチカ(エルチカ)の特集です。

Lチカ、皆さん知っていますか?LEDをチカチカさせる、つまりLEDの点灯制御です。これを、マイコン無し、つまりプログラム無しでアナログ回路のみでやってしまおうというものです。使う物は抵抗、コンデンサ、コイル、トランジスタ(1815等)、555タイマーIC、LED、乾電池です。LEDを自然のようなゆらぎを持って点灯する事ができます。今回は、そんなLチカ・アナログ回路を16種類、ご紹介します。

実物と実際の回路は、床井の所にあります。興味があったら来てください。

[1]乾電池1本でLEDを常時点灯(昇圧回路)  001⇒004

LEDの点灯には、物によりますが最低1.8V(赤)~3V(青)程度の電圧が必要となります。そのため乾電池1本の1.5Vでは、LEDを点灯させる事ができません。そこで乾電池の1.5Vを3V程度まで電圧を疑似的に上げる必要があります。

その中でも最も簡単なのが「monoもの作り」でもご紹介したジュールシーフ(001)という回路です。抵抗1個、コンデンサ1個、コイル2個、トランジスタ1個で作れる簡単回路です。乾電池の残量が0.6V程度あればLEDは発光します。使い終わった乾電池でもLEDが発光します。

その他にもいろいろな回路があります(001~004)。

[001]ジュールシーフ回路。1.5VでLEDが光りますが、さらに使い終わった乾電池でもLEDが光るエコ回路です。単4電池で連続発光で1週間程度、光ります。

[002]ジュールシーフに似た回路ですが、トランジスタを2個使っています。

[003][004]ジュールシーフに似た回路です。但し、LEDの光がやや弱いです。

[2]乾電池1本でLEDをフラッシュ点灯    005⇒007

[005]-[007]LチカならではのちかちかLEDが点灯する回路です。上の[1]と似ていますが、回路が違います。特にここれは、電解コンデンサ(青色の筒)を用いているのが特徴です。電解コンデンサの充電と放電によりLEDがフラッシュの様に点灯します。また点灯の周期や光っている時間は、回路中の抵抗とコンデンサ容量によって決まります。つまり、抵抗とコンデンサを変える事で、点灯の仕方が変えられます。

[3]乾電池2本(3V)以上でLEDの点灯制御  008⇒016

乾電池2本を直列に接続して3Vを作ってLEDを点灯させます。前述のように3Vを使えば、大抵のLEDは、保護抵抗を直列に接続して光ります。それだけでは、面白くない。ここでは、色々なLEDの点灯制御の回路を紹介致します。

[008]論理回路not回路です。スイッチで入力信号がONの時にLEDが消灯します。

[009]LEDが光センサを兼ねる回路。LEDだけで暗くなるとフラッシュ点灯します。LEDも光センサーとして使える!!この回路ではLMC555タイマーICを使っています。

[010]コンデンサの充放電を利用して、ONの時にだんだん明るくなる、OFFの時にゆっくりと消える回路です。使うコンデンサや抵抗によって、その速度を変更する事が可能です。

[011]Lチカで王道のフリップフロップ回路です。LEDが交互に点灯します。コンデンサと抵抗の値によって点灯の周期が変わります。今回は、このフリップフロップ回路に光センサ(Cdsセンサ)を接続しました。これにより、暗くなった時にフリップフロップ回路が動作するよにしました。明るい時は、LEDは光りません。通常は3V駆動の回路ですが、今回はジュールシーフを使っていますので1.5Vで回路を駆動しています。ちなみに、ジュールシーフ回路のLEDを取り外すと、回路は動作しません。ジュールシーフ回路のLEDが整流機能を果たしていると思われます。

[012]明暗でLEDを点灯と消灯回路。Cdsセンサを使って、明るい時に消灯&暗い時に点灯、明るい時に点灯&暗い時に消灯ができる回路です。大差はありません。明るい時、暗い時、どちらの制御もできます。

[013]通称、ホタル回路と呼ばれます。ホタルの様に柔らかく点滅する回路です。無安定バイブレータ回路を応用した回路です。無安定バイブレータ回路中の抵抗とコンデンサにより点滅周期が変わり、点滅の柔らかさは、最終段のコンデンサの大きさで変えられます。

[014]3連フラッシャー回路です。抵抗、コンデンサ、トランジスタのみで3つのLEDを順番に点滅させます。3つのLEDが流れるように点灯します。流れる周期ですが、コンデンサの容量によって変えられます。

[015]LEDとCdsを使ったマルチバイブレータ回路です。トランジスタは使っていませんが、LEDが交互に点灯する面白い回路です。黒い筒の中にLEDとCdsが入っています。今回は3Vで動かしていますが、12Vで動かす回路です。⇒面白いです。

[016]乾電池チェッカー回路(3V)。この回路は乾電池の残量が減ってくると緑のLEDが消え、もう一方の赤のLEDが点灯します。今回は乾電池の残量があるので緑LEDが点灯しています。

 

この他にもいろいろなアナログ回路があります。抵抗、コンデンサ、コイルを使い点滅周期や点滅時間などを変えるのですが、そこには微分と積分の要素が入ってきます。特に電気回路の場合、計算により点滅周期や点滅時間を算出でき、その再現性も良いです。微分積分、難しいですが、これが分かると自分の作りたいLチカ回路を作る時の素子の値が見積れ、作る事ができます。

最後に、今回の特集で作った回路は、色々なホームページに掲載されている回路を参考に作っています。これから春休み!!Webで探して、実際に工作して動かしてみる。みなさんも面白回路をWebで検索してみませんか!!その回路を作るお手伝いをします。お問合せは床井までお願いします。